空港情報
空港の安全設備「標識類」/ホームメイト
夜間は誘導灯で安全な離着陸を促す空港ですが、昼間はどんな標識で安全を守っているのでしょう。昼間に見られる空港の標識について紹介します。
空港で目にするいろいろな標識

視覚に訴えることで、頭で考えるよりもダイレクトに意味が伝わりやすい標識。短時間で相手に必要な情報を伝えることができるため、空港でも多用されています。
航空機が離着陸を繰り返す滑走路は、空港の機能の中でも最も重要な物です。滑走路面上のマーキングによる標識はどのようになっているでしょうか。まず滑走路の中心線標識は幅90センチメートルの白いラインです。滑走路両縁の、滑走路縁標識も同じく幅90センチメートルの白いラインで、滑走路末端まで続いています。
一方、誘導路標識には黄色いラインが使われ、違いがわかるようになっています。ちなみに滑走路は、基本的には白いラインが主流ですが、積雪のある空港では雪と区別するために黄色いラインが使われています。
これらの標識は国際民間航空条約(ICAO)で基準が決められており、日本でもそれに基づいた航空法で決められています。以下に滑走路面上の標識に関する基準を示します。
飛行場名の標識
飛行場名の標識の基準です。
- 文字はローマ字とすること
- 色彩は明瞭に識別することができるものとする
指示標識の数字
指示標識の数字の基準は以下の通りです。
- 進入方向から見た滑走路の方位を磁北から右回りに測ったものの10分の1の整数とする
平行滑走路における指示標識の文字(進入方向に向かって左から順次)
平行滑走路における指示標識文字の基準です。
- 2本の平行滑走路の場合……LR
- 3本の平行滑走路の場合……LCR
- 4本の平行滑走路の場合……L LC RC R
- 5本の平行滑走路の場合……L LC C RC R
上記の、航空法で決められている標識の意味を補足しましょう。「指示標識」の数字ですが、滑走路面上に仮に「9R」と書かれていたら、それは滑走路番号です。指示標識は「進入方向から見た滑走路の方位を磁北から右回りに測ったものの10分の1の整数」ですから、真北を基準にして90度の方位をしている滑走路、という意味になります。また磁北に対して90度の方位にある滑走路は、逆から見ると270度の方位になりますから、滑走路の反対側の端には「27L」と表示されます。
アルファベットの「R」や「L」は、滑走路が平行滑走路である場合に必要になる区別です。2本の滑走路ならRは「Right」、Lは「Left」で、3本なら「C」の「Center」も加わって、それが、平行滑走路における「指示標識の文字」についての説明になります。
滑走路末端標識に関する、滑走路の幅の区分とそれに応じた縦縞の本数
滑走路末端標識に関する、滑走路の幅の区分とそれに応じた縦縞の本数は以下の通りです。
- 幅60メートル……16本
- 幅45メートル……12本
- 幅30メートル……8本
- 幅25メートル……6本
- 幅15メートル……4本
(すべて航空施行規則別表第5より抜粋)
これは、滑走路の末端に、間隔の狭い横断歩道のような線で記されます。滑走路の末端なので、パイロットは末端よりも内側に着陸しなければいけないことを知らせています。
このように滑走路では多くの標識が使われていて、それぞれの標識の意味を瞬時に読み取ることで、パイロットは航空機の着地点や離陸地点などを予測し、安全な運行を続けることができるのです。