空港情報
空港の安全設備「誘導灯」/ホームメイト
24時間運航が可能な空港が増え、空港の誘導灯の役割がますます重要になっています。滑走路をはじめ空港にはどんな誘導灯があるのでしょう。
空港で目にする誘導灯の役割

誘導灯には屋内で非常口や避難通路を示すものと、空港で航空機の離着陸をサポートするものなどがありますが、ここで紹介するのは、空港で目にする誘導灯です。
これらの誘導灯は「航空灯火」と呼ばれ、灯光によって航空機の安全な飛行を援助するための施設です。この航空灯火には3種類あって、その分類は以下の通りです。
- 航空灯台
- 航行する航空機に対し、航空路上の特定の1点を示すための施設です。
- 飛行場灯火
- 空港に離陸又は着陸する航空機に対し、滑走路の形状及び進入角度等の情報を援助するための施設です。
- 航空障害灯
- 航行する航空機に対し、障害となる高層のビルや鉄塔等の存在を認識させるために設置する施設です。
(国土交通省「航空灯火システム概念図」より抜粋)
滑走路で目にする灯火(誘導灯)はどんな色?

航空灯火には、たくさんの色や光り方があります。空港にとって、航空機の離着陸に欠かせない最も重要な滑走路周辺には、なんと20種類以上の灯火施設が並んでいます。 空港によっては何千メートルにもおよぶ滑走路には、どのような誘導灯が並んでいるのでしょう。
まず滑走路の両端には白色の滑走路灯が走っていて、残り600メートルを切ると黄色の灯火に変わり、パイロットに滑走路上での位置を知らせます。その中心には埋め込み式の滑走路中心線灯が白色に並び、左右へのぶれを調整するのに役立ちます。また、緑色と赤色の滑走路末端灯が滑走路の末端を示し、パイロットに滑走路長の目安を知らせています。
それ以外にも、滑走路末端までの距離を数字で示す滑走路距離灯や、風向きを示す風向き灯、着陸時の正しい進入角度を示すための進入角指示灯が具体的な角度を伝えてくれます。
実際に空港で目にするそのほかの灯火(誘導灯)

着陸した航空機がたどるのは、滑走路から駐機場へと導く誘導路の青色の灯火です。もちろん、エプロンで駐機していた航空機が次のフライトのために滑走路まで移動する際にも同じ誘導灯が目印になります。中心には埋め込み式の緑色の誘導路中心線灯が並びます。
誘導路を通ってたどり着くエプロン(駐機場)は作業しやすいように明るくライトアップされ、その存在を明確にアピールします。また、空港のターミナル付近には、空港の位置を示すための灯火、飛行場灯台が白色と緑色に輝きます。
このように空港では、あらゆる灯火(誘導灯)を駆使して、航空機を安全な離着陸へと導く工夫が凝らされているのです。夜の空港は、そのイルミネーションの美しさで人々を魅了しますが、そのカラフルなライティングには一つひとつ大切な意味があるのです。